「PDFの2ページを1ページにまとめたい」と「PDFの2ページを1つにまとめたい」。言い方はほとんど同じですが、この2つは別の作業で、使うツールも違います。2ページ分を紙1枚に並べるのが割付(Nアップ)、複数のファイルを1つのPDFにするのが結合です。
どちらも「まとめる」と言うので、検索した言葉のままツールを開くと、思っていたのと違う結果になることがあります。よくあるのが、結合したのにページ数が減らなくて戸惑うパターンです。この記事では自分に必要なのがどちらなのかの見分け方と、それぞれの手順、そして割付したときに文字がどのくらい小さくなるのかを整理します。
早見表
| やりたいこと | 必要な操作 | 使うツール | 出来上がり |
|---|---|---|---|
| ファイルを1つにしたい | 結合 | PDFを結合 | 1ファイル・2ページ |
| 2ページを紙1枚に | 割付 | 複数ページを1枚に | 1ファイル・1ページ |
| 2ファイルを紙1枚に | 両方 | 結合 → 割付 | 1ファイル・1ページ |
3秒で結論:結合はファイルの数を減らす操作、割付は紙の枚数を減らす操作です。結合してもページ数は2ページのまま減りません。「1ページになってほしい」なら割付を使ってください。
ケース1:ファイルが2つある → 結合する
手元にPDFが2つ以上に分かれていて、それを1つのファイルにしたい場合が結合です。PDFを結合 にファイルをドラッグして追加し、サムネイルを動かして並び順を決めたら、あとはボタンを押すだけで1つのPDFになります。
注意したいのは、結合してもページ数は減らないことです。1ページのPDFを2つ結合すれば、できあがるのは2ページのPDFです。印刷すれば紙は2枚のまま。「結合したのに1ページにならない」という戸惑いは、ほぼここから生まれます。
PDFniteの結合は各ページの元のサイズをそのまま保ちます。A4とA3が混ざっていても、A4はA4、A3はA3のまま1つのファイルに収まります。ただしサイズが混ざったまま次の割付に進むと仕上がりが不揃いになるので、その場合は先に サイズの違うPDFを揃えて結合する方法 でサイズを統一しておくと安全です。
ケース2:1ファイルの2ページを紙1枚に → 割付する
1つのファイルの中にある2ページを、紙1枚に並べる操作が割付(Nアップ)です。印刷したときの紙の枚数が半分になります。
手順は 複数ページを1枚に にPDFを読み込ませ、1枚あたりのページ数を「2」にするだけ。あとは用紙サイズ(A4 / A3 / Letter)と向き(縦 / 横)を選びます。この用紙の選択が仕上がりの読みやすさを決めるので、後述の早見表を見てから決めてください。折り線や切り取り線の目安が欲しいときは、境界線を表示するオプションを有効にしておくと便利です。
処理はすべてブラウザの中で行われ、PDFがサーバーに送られることはありません。
ケース3:2つのファイルを1枚の紙に → 結合してから割付
「2つのファイルを、1枚の紙に並べたい」場合は2工程になります。順番だけが唯一のコツで、必ず結合が先、割付が後です。
まず PDFを結合 で2つのファイルを1ファイル・2ページにまとめ、次に 複数ページを1枚に で2ページを1枚に割り付けます。不要なページがあるなら、その間に ページを編集 で削除や並べ替えを挟んでおくと無駄がありません。
先に割付してしまうと、ファイルごとに別々の紙ができあがるだけで、結局1枚にはなりません。「ファイルをまとめるのが先、紙をまとめるのが後」と覚えておけば迷わずに済みます。
用紙の向きひとつで、文字の大きさは1.4倍変わる
同じ「2ページを1枚」でも、選んだ用紙サイズと向きによって仕上がりの大きさはかなり違います。A4縦の原稿を割り付けたときの実測値が次のとおりです。
| 用紙サイズ・向き | 並び方 | 原寸に対する倍率 | 1ページの仕上がり | 向く用途 |
|---|---|---|---|---|
| A3・横 | 左右 | 約95% | 約200×283mm | 見開き・図面 |
| A4・横 | 左右 | 約66% | 約139×196mm | 読みやすさ重視 |
| A4・縦 | 上下 | 約47% | 約99×140mm | 省紙優先 |
| Letter・横 | 左右 | 約61% | 約132×170mm | 海外向け |
A4縦の用紙を選ぶと、上下に細長いマスが2つできて左右が余ります。その結果、原稿は47%まで縮んでしまう。同じA4の紙でも向きを「横」に変えて左右に並べるだけで66%まで大きくなるので、読みやすさを少しでも確保したいなら横向きが有利です。原寸に近い仕上がりが必要なら、A3・横で約95%になります。
ついでに知っておくと得なのが、ページ数を増やしたときの変化です。A4縦の原稿をA4縦の用紙に割り付けた場合は次のようになります。
| 1枚あたり | 原寸に対する倍率 | 1ページの仕上がり |
|---|---|---|
| 2ページ | 約47% | 約99×140mm |
| 4ページ | 約46% | 約96×136mm |
| 6ページ | 約31% | 約65×92mm |
| 9ページ | 約30% | 約63×89mm |
| 16ページ | 約22% | 約46×66mm |
2ページと4ページで大きさがほとんど変わらないのは、先ほどと同じ「縦用紙では左右が余る」理由によるものです。つまり縦向きの用紙で省紙が目的なら、2ページではなく最初から4ページを選んだほうが得になります。レイアウトごとの詳しい解説は PDFの2ページを1ページに縮小して配置する方法 にまとめました。
その場で印刷するだけなら、ブラウザの機能でも足りる
ChromeやEdge、Safariの印刷ダイアログにも「1枚あたりのページ数」という設定があり、割付そのものはブラウザだけでもできます。1回印刷して終わりなら、わざわざツールを使う必要はありません。
分かれ目は、PDFファイルとして残すかどうかです。配布したり、あとで刷り直したりするなら、並び順や用紙を指定して保存できるツールのほうが、毎回設定をやり直さずに済みます。
| 手段 | コスト | プライバシー | 仕上がりの制御 | 向く用途 |
|---|---|---|---|---|
| PDFnite(結合・割付) | 無料 | 高(端末内) | 用紙・向き・順序 | 配布用PDFを残す |
| ブラウザの印刷機能 | 無料 | 高 | 限定的 | その場で1回印刷 |
| Adobe Acrobat(業界標準) | 有料 | 中 | 高(面付け・トンボ) | 業務・印刷入稿 |
| 有料の専門サービス | 有料 | サービスによる | 高 | 製本・特殊要件 |
つまずきやすいポイント
割付したら文字が読めなくなったというときは、たいてい用紙が縦向きのままです。横向きに変えるか、用紙をA3にすれば大きくなります。
並んだページの大きさが揃わない場合は、元のPDFにサイズの違うページが混ざっています。縮小率はページごとに計算されるため、大きいページほど強く縮みます。先にページサイズを統一してください。
印刷したら端が切れたのは、家庭用プリンタの印刷可能領域から外れているためです。入稿や印刷の前に確認したいときは 印刷前チェック でサイズを見ておくと安心です。
よくある質問
結合と割付は何が違いますか?
結合はファイルの数を減らす操作、割付は紙の枚数を減らす操作です。2つのPDFを結合すると1ファイル・2ページになり、ページ数は減りません。その2ページを割付すると1ファイル・1ページになり、印刷したときの紙が1枚で済みます。
2つのPDFファイルを1枚の紙に並べられますか?
できますが、2工程になります。先に PDFを結合 で1つのファイルにまとめ、そのあと 複数ページを1枚に で2ページを1枚に割り付けてください。順番が逆だと、ファイルごとに別々の紙ができてしまいます。
A4を2枚、A3の1枚にまとめられますか?
できます。複数ページを1枚に で1枚あたりのページ数を2、用紙サイズをA3、向きを横にしてください。この組み合わせは原寸の約95%で並ぶため、縮小をほとんど感じない仕上がりになります。見開きの資料や図面の配布に向いています。
割付すると文字はどのくらい小さくなりますか?
A4縦の原稿をA4縦の用紙に2ページ割り付けた場合で、原寸の約47%(1ページあたり約99×140mm)です。同じ紙でも向きを横にすれば約66%、用紙をA3・横にすれば約95%とほぼ原寸になります。
元のPDFのページサイズがバラバラでも割付できますか?
割付自体はできます。ただし各ページは自分のマス目に収まるよう個別に縮小されるので、大きいページほど強く縮み、並べたときの大きさが揃いません。仕上がりを揃えたいなら、先に サイズの違うPDFを揃えて結合する方法 でページサイズを統一してください。
ファイルはサーバーに送信されますか?
いいえ。PDFを結合 も 複数ページを1枚に も、処理はすべてブラウザ内で完結します。PDFが端末の外に出ることはないため、社外秘の資料でもそのまま扱えます。
スライドを配布資料にしたいのですが?
同じ割付の操作です。16:9のスライドをA4縦の用紙に2ページ割り付けると、上下に並んでメモ欄付きの配布資料のような形になります。詳しくは スライドをPDFのハンドアウトにする方法 を参照してください。
まとめ
「2ページを1ページに」は、ファイルをまとめる結合と、紙にまとめる割付の2つに分かれます。減らしたいのがファイルの数なら結合、印刷したときの紙の枚数なら割付。両方が必要なときは結合してから割付、という順番だけ守れば迷いません。
割付するときは用紙の向きを意識してください。A4のまま2ページを並べるなら横向きにするだけで1.4倍読みやすくなり、原寸に近づけたいならA3・横で約95%になります。面付けの精度が求められる印刷入稿や製本では Adobe Acrobat(業界標準)や有料の専門サービスもご検討ください。会議資料や配布資料、学習用のまとめであれば、PDFniteで十分に対応できます。